今回からはじまる「WLC(Wangan Life CREATORS)」は、みんなのイゴコチ会議で集まった声をもとに、「プラウドシティ東雲キャナルマークス」の中庭や共用施設などを様々な企業やクリエーターと共創してイゴコチのいい空間づくり行う活動を、インタビューをもとに紹介していく連載企画です。
第1回は「プラウドシティ東雲キャナルマークス」を象徴する広大な中庭のデザインを手がけた、株式会社ランドスケープデザイン 設計部プロジェクトリーダーの井口氏にお話をお聞きしました。
設計コンセプトや植栽・照明計画、庭での過ごし方から、イゴコチのいい都心居住の新たな可能性が見えてきました。
Wangan Life CREATORSとは「プラウドシティ東雲キャナルマークス」の中庭や共用施設を、みんなのイゴコチ会議で集まった声をもとに様々な企業やクリエーターと共創してイゴコチのよい空間づくりを行っていく活動です。
オーバル(楕円形)状の広大な敷地を、喧噪から離れて日常では味わえないリゾートのようなプライベートガーデンにしたいという思いがありました。単に大きな庭をつくるのではなく、家族それぞれがこの庭でどのように過ごせるかという、新しいライフシーンづくりの場になればいいなと考えています。
共用施設を1階に集めることで、中庭との連動性が生まれます。日常の様々なシーンに中庭がかかわり、今まで思いもよらなかった新しい暮らしの風景がつくられていく。また、タワーマンションに比べ時間をかけずに下まで降りられるので中庭に出やすく、そこから都心生活の新しい豊かさが芽生えることを期待してデザインしました。
今回の中庭は、「みんなのイゴコチ会議」サイト内で実施した、「イゴコチのいい空間とは」というアンケートの上位回答と重なる部分が多くあります。
「木々に囲まれた休憩スペース」は「フォレストリビング」、「ぶらぶら散歩したい」は「フォレストプロムナード」や「パークプロムナード」、「木陰で本を読みたい」は「パークリビング」など、実際にこの中庭で叶えられます。都市に暮らす人が求めているイゴコチのいい空間が、この中庭に集約されている感じがして嬉しく思います。
駐輪場やライブラリー、キッズルームなどの共用施設はそれぞれ設置階数が違ったり、各空間の中だけで利用する場合が一般的ですが、今回はすべて1階に揃えたことで中庭とのつながりが強まり、使う人のアイデアで様々な生活シーンが豊かに広がります。例えばお子様が庭で遊んでいるのを親御さんが室内から見守れたり、駐輪場前のスペースで愛車のメンテナンスも手軽にできます。
中庭内の照明は足下やベンチの下、樹木の根元など、目線よりも低くすることで柔らかい印象を与え、リラックス気分を深めます。バルコニーや共用廊下に出て中庭の夜景を上から眺めながらくつろげるのも、都心生活の新しいシーンといえるかもしれません。
アンケートでも「リラックスしたいとき」が上位となり、美しい見た目はもとより、四季の花々の薫りや、集まってくる鳥のさえずりなど五感でリラックスできる環境を調えました。
散策路は蛇行させて、木や花がアイストップになったり、道の両側を起伏のあるマウンドにすることで、歩くだけで風景が変わっていく楽しみがあります。どこにいても、どこを歩いても同じ風景が繰り返されず、訪れるたびに新鮮な気分になれるのは、この中庭ならではの魅力ではないでしょうか。
小さいお子様からご高齢の方まで、年齢・世代を問わずどなたでも気軽に安心して利用できる。そして過ごし方に縛られないから、この中庭を利用するたびに新しい発見に出会える。そんな中庭がきっかけで住人同士のコミュニケーションや生活シーンが増えることで、都心の暮らし方はもっと豊かなものに変わっていくと信じています。
ランドスケープデザインの役割は、空間を提供するということだけではありません。イゴコチのいい場所として将来にわたって積極的に使われなくては意味がありません。経年とともに木々が大きくなり、花が咲き、時には蝶や鳥が羽を休めにくることもあるでしょう。癒やされたり、いとおしく思えたり、元気が湧いてきたり。そして数年後、数十年後にこの庭で過ごした時間が家族の素敵な思い出となって刻まれていくことを心から願っています。
「プラウドシティ東雲キャナルマークス」の中庭のお話、いかがでしたでしょうか。
一口にランドスケープデザインといっても、
とても奥が深いんですね。
人が子供から大人へと成長するように、
中庭も経年とともに変化していくという考え方は、
共用空間の新しい在り方を提示しながら、
これからの都心レジデンスのモデルとなるような気がします。
外部空間のデザインを通じて、上質な都市環境の創造を目指す組織設計事務所。モノづくり現場に寄り添ってきた経験と、生物多様性や低炭素社会への取組みで培ってきた環境技術、そして、維持管理者からのフィードバックで得られた知恵を力の源泉にして、社会に貢献できる設計集団を目指しています。
※掲載の外観・中庭完成予想CGは計画段階の図面を基に描いたもので実際とは異なります。また、今後変更になる場合があります。外観の細部・設備機器・配管類等は一部省略又は簡略化しております。タイルや各種部材につきましては、実物と質感・色等の見え方が異なる場合があります。植栽については特定の季節の状況を表現したものではなく、竣工時には完成予想CG程度には成長しておりません。
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